• 福岡・志免の土地家屋調査士・行政書士

官民境界明示、国有財産の購入、付替、用途廃止、改築許可

 土地を分筆して売却したい、土地を測量したら登記簿上の地積(土地の面積)と違っていたというときに、隣地の所有権者と境界の協議が必要となります。そして書面で「境界確認書」、又は道路・水路等の公有地に接している土地であれば「官民有地境界協定書」などを添付してが不動産登記申請します。
 ここでは、国土交通省(旧建設省)の例で説明しますが、地方自治体の公有地の手続きも基本的には同様と思われます。県、市町村の各自治体で事務の取扱に少しは違いがあると思いますので、土地の所在する県・市町村にお問い合わせてください。官民境界申請については、測量した正確な図面の作成が必要となります。土地家屋調査士は、測量・登記の専門家としてお役に立てますので、お気軽にご相談下さい。近郊の方はもちろん、遠隔地に在住されている方で、福岡市周辺に土地をお持ちで分筆・地積更正登記、隣地と境界をはっきりするために、境界確定・国有財産の購入等の手続きをしたいとお考えの方は、石川総合事務所へお気軽にご相談下さい。

用語の説明

・行政財産
  行政財産とは公用財産(庁舎)、公共用財産(国道、河川)、皇室財産、企業財産(国有林野事業)をいいます。

・普通財産
  行政財産以外の国有財産を言います。行政財産であったものが不要となった財産、相続税として土地などを 国に納められた財産があります。普通財産は財務省が管理します。

・法定外公共物
  道路法、河川法等の適用又は準用をうけていない公共物のことです。里道・水路がその代表的なものです。
 現に機能を有している里道・水路は市町村へ譲与(無償譲渡)。機能を喪失したものは国(財務局)において直接管理される ことになりました。里道・水路の境界確定の申請先は福岡県土木事務所・市町村になります。機能を喪失した旧法定外公共物(旧 里道・旧水路) は財務局において管理・売払いをしています

・官民有地境界協定
 公共用地と隣接する土地との境界を、現地において双方立ち会いの上、書面をもって確定することをいいます。事務手続き上は、事前に官民境界明示申請書を提出し、協議成立すれば境界が確定することになります。国道は国土交通省が管理していますが、境界確定の申請の窓口は福岡県土木部、市町村です。機能を喪失した旧里道・旧水路は財務省でが管理、申請の窓口になります。

・付替
 共用財産の用途廃止を受けるため機能代替施設を設置する行為をいいます。この工事をする場合は、あらかじめ申請書を提出し内容が妥当であると認められれば付替許可書が交付されます。

・寄付受納
 公用財産に代わるべき他の施設を設置したためその用途を廃しした場合、新たな公共用の施設の敷地について国土交通省が寄付を受ける行為をいいます。

・用途変更
 公共用財産としての性質を変えないで用途のみを変更するものです。例えば道路としして利用されているものが水路として利用する場合です。都市計画法、建築基準法の用途変更とは意味が違います。

・用途廃止
 各省各庁の長が、行政財産をその用に供する必要がないものと認めて普通財産とすることを 「用途廃止」といいます。行政財産を廃した場合は、各省各庁の長は財務大臣に引き継ぐことになっています。

・地図訂正
 法務局に備えている不動産登記法14条の地図は全地図の半分程度に過ぎず、地図に準ずる図面が大半を占めています。この地図に準ずる図面が一般に「公図」とよばれていますが、この公図は測量技術が未熟時代のものであるため、精度はかなり低く、土地の位置、形状、地番等が現地と一致しないものが多く存在しています。本来、地図は登記官が職権で備え付けるものですから、これを訂正するのが建前ですけどすべての土地の現状を把握しているものでありません。そこで、地図若しくは公図に誤りがあるときは、所有者はその訂正ができることとされています。これを「地図訂正」といっています。

・形状変更
 特に明示された規定はありませんが、国有財産の適正な管理を行うためには、公共財産の管理者以外の者が、みだりにその形状を変更することはその機能を低下させることもあるため、管理者に事前に承認を受けさせるものを「形状変更」といっています。

官民境界明示手続き

 国・都道府県・市町村、申請者、隣地土地所有者立会の上、杭打ちしお互いに確認します。杭打ちした境界により改めて測量し作成した図面を境界確定図(または確定測量図)といいます。この図面上に境界確定した部分に赤線で表示し知事又は市長(土木事務所長)の印が押されます。申請者の印も押します。この境界協定書は土地の売買するようなときに必ず必要となる重要な書類になりますので権利書と同様に大切に保管して下さい。
  なお、官公庁と官民有地境界確定協議が成立した場合、通常は再申請しやりなおすことはありえませんし、官公庁はこれに応ずることはないと思います。ただし、この協議の前提あるいは基礎となっている事実関係に重大な錯誤があった場合は無効となりうることはあります。いずれにしても、一度確定協議が成立すればそれを覆すことは困難になりますので慎重に対応する必要があります。

1.協定の申請が出来る者
 公簿上の所有者(公簿上の所有者以外のの者が所有権を取得している場合はその者)

2.協定書の申請書類
 申請書類は基本的には下記の書類が必要となりますが、申請先により違いがあると思われますので、申請先に問い合わせて下さい。
 ①申請書
 ②所有権証明書
 ③申請人が法人の場合は商業登記簿の謄本
 ④隣接土地所有者一覧表(土地調書というところもあります。)
 ⑤隣接土地所有者の同意書(添付する必要のない自治体もあります。
 ⑥申請する土地が国または県、市町村当の管理する土地の場合は、官民境界確定図又は境界同意書
 ⑦登記簿謄本
 ⑧位置図  1/25000~1/50000
       周辺の地形及び方位
       建物、道路橋、神社、鉄道その他主要な物件を記入した図面
       当該申請箇所を表示 ⑨字限図 隣接地全部を転写したもの(着色箇所は同様に着色)
       字名、地番及び種別
       法務局名
       転写年月日及び転写者の資格(職)氏名印
 ⑩実測平面図
       縮尺1/250~1/600
       申請地、周辺の地形、地上物件を表示
       境界線を朱線
       土地の所在及び地番
       測量年月日及び測量者氏名(職)氏名印
 ⑪横断面図
       縮尺は、適宜 (多く自治体の場合1/100)
       測量年月日及び測量者氏名(職)氏名印
 ⑫申請土地が相続にかかるものである場合は、相続関係を証明する書面
 ⑬申請人の印鑑証明書
 ⑭土地登記簿と印鑑証明書の住所が違うときは、転居の経緯がわかる住民票等の書類
 ⑮代理人によって申請する場合は委任状
 ⑯その他

3.申請書の提出先及び部数
  提出先 国道(国道維持管理事務所)
  県道(福岡県土木事務所)
  里道、水路、市町村道(各市町村)
  提出部数は3部提出します。ただし、提出先により部数は違いがあると思います。提出先に問い合わせ下さい。
    協定図は正本 2部  (土木事務所1部 申請者1部)
        副本 1部  (関係市町村へ送付) 

国有財産購入

 公図を見たときに、自分が所有している土地の中に、細長い土地で青色又は赤色で塗られている細長い土地は、青線・赤線といわれているもので水路・里道を表しています。
 この土地は国有財産ですので、勝手に処分できません。国は、機能を喪失した里道・水路は売却していく意向ですので、払い下げの手続きをすることは、自分の所有している土地の価値を上げることにもなると思われます。旧里道・旧水路を現に住宅地として使用している場合には、購入手続きが必要となります。なお、購入に当たっては、使用している期間の使用料を払うことになります。測量図面などが必要ですので、土地家屋調査士に依頼されることがよいかと思われます。近郊の方はもちろん、遠隔地に在住されている方で、福岡市周辺に土地をお持ちで上記の国有地の払い下げを受けたいとお考えの方は、当事務所へお気軽にご相談下さい。

 平成12年4月1日から
 ①現に機能を有している里道・水路は市町村へ譲与されました。
 ②機能を喪失したものは、国(財務局)が直接管理し、売払しています。

国有財産の付替

1.付替とは公共用財産の用途廃止を受けるためあらかじめ代替え施設を新設することをいいます。
2.要件
 ①十分な意思と能力があること。
 ②原則として、現況施設と代替施設と比較して機能等の見地から価値が同程度かそれ以上であると認められるもの。
 ③その敷地とともに公共用財産として国有に帰属させることができるものであること。
3.付替許可の申請
 ①付替申請書
 ②理由書
 ③隣接土地所有者の境界同意書又は官民有地境界協定図
 ④利害関係人の同意書(水利権者、隣接土地所有者及び自治会長などの同意書)
 ⑤市町長の意見書
 ⑥付替地について権原を有することの書面(登記簿謄本、売買契約書、付替同意書など)
 ⑦位置図 (25000分の1~50000分の1)
 ⑧公図(字限図)(着色箇所は同様に着色すること。)
 ⑨実測平面図 (250分の1~600分の1)
 ⑩横断図(50分の1~100分の1)
 ⑪求積図(100分の1、三斜法により求積、面積計算表)
 ⑫付替施設の構造図
 ⑬その他必要と認める図書(現況写真等)
4.申請書提出部数
  正本 2部

国有財産の用途廃止

 ここでは国土交通省(旧建設省)の事務取扱要領の例で説明しますが、基本的には他の自治体も同様と思われます。
 用度廃止とは、特定の行政目的の用に供していた行政財産が、その用に供しなくなった場合をいいます。機能を喪失した国有財産旧里道・旧水路は用途廃止がすでにされていると思われますので、その場合はこの手続きは不要になります。国有(公有)財産を購入したい場合は、境界確定を経て購入手続きに入ります。

1.用途廃止の基準
 ①公共用財産が、公共用財産として機能を失っており、これを元の用途にも供する必要がないと認められる場合。
 ②当該財産について、代替施設が設置されたため、当該財産を公共財産として存置する必要がなくなった場合
 ③当該財産を公共財産として存置させることが、不適当又は不必要であると認められる場合

2.用途廃止申請
 ①葉と廃止申請書
 ②用途廃止理由書
 ③隣接土地所有者の境界同意書又は官民有地境界協定図
 ④利害関係人の同意書
 ⑤市町村長の意見書
 ⑥代替施設寄付受納書の写し
 ⑦位置図 (25000分の1~50000分の1)
 ⑧公図(字限図)(着色箇所は同様に着色すること。)
 ⑨実測平面図 (250分の1~600分の1)
 ⑩横断図(50分の1~100分の1)
 ⑪求積図(100分
 その他写真を求められる自治体もあります。

3.提出部数
 用途廃止をしようとする公共用財産の面積により違います。申請先に問い合わせて下さい。

国有財産の改築許可

里道・水路等公共財産の改築の必要がある場合の手続きです。

1.要件
 ①公共用財産の機能を高めると認められる場合
 ②法令の定めにより公共用財産の改築が必要となる場合
2.改築許可申請
 ①改築許可申請書
 ②改築理由書
 ③隣接土地所有者の境界同意書又は官民有地境界協定図
 ④利害関係人の同意書
 ⑤市町村長の意見書
 ⑥位置図 (25000分の1~50000分の1)
 ⑦公図(字限図)(着色箇所は同様に着色すること。)
 ⑧実測平面図 (250分の1~600分の1)
 ⑨横断図(50分の1~100分の1)
 ⑩求積図(100分の1、三斜法により求積位置図